「第1回保全技術交流会」のご報告
Date:2016.09.11
日本保全学会 東北・北海道支部 「第1回保全技術交流会」のご報告
日本保全学会 東北・北海道支部主催の「第1回保全技術交流会」が平成28年8月25日(木)から26日(金)の二日間に亘り(株)日本製鋼所 室蘭製作所にて開催され,盛況の内に終了しました。
本技術交流会は,現場実務者による非破壊検査ないしは現場保全技術に関する事例紹介および意見交換を目的に今年度より新たに企画した支部行事であり,第1回目となる今回は初秋の候を迎えつつある北海道室蘭で37名の参加者に来場頂いての開催となりました。
はじめに,日本保全学会 東北・北海道支部長である東北大学 橋爪教授より,「支部法人会員3社を含む現場実務者が一同に集い,現場の保全技術に関する意見交換・交流の場として,今回の保全技術交流会を開催した。」旨の趣旨説明と開会の挨拶があり,その後,各参加者からの発表および質疑応答が行われました。
第1セッションでは,東北大学 高木教授および東北電力(株)東通原子力発電所 阿部副所長を座長とし,①女川原子力発電所の設備診断技術について,②女川原子力発電所における振動診断の実例,③六ヶ所再処理工場における蓄電池点検高度化の取組み,④電動機油脂補給情報管理システムの開発,⑤粗大粒の内部応力評価の計5件の発表がありました。
また,第2セッションでは,新潟大学 鈴木教授および日本原燃(株) 菊池設備保全部長を座長とし,⑥大間原子力発電所建設工事における長期保管の取組みについて,⑦泊原子力発電所の燃料取替えキャナル点検工事,⑧六ヶ所再処理工場におけるアズビルド情報の3次元レーザー計測と設備保全への適用,⑨泊原子力発電所ディーゼル発電機定期点検における作業改善事例紹介,⑩東通原子力発電所におけるPHS回線を使用した可搬式カメラの導入の計5件の発表があり,第1セッションおよび第2セッションを通じて活発な質疑応答および意見交換が行われました。
第2セッションの後,(株)日本製鋼所 室蘭製作所の一号役宅にて懇親会が開催され,開会にあたり,東北大学 高木教授より,「支部活動における現場実務者の交流・意見交換の場として,今回このような会合を開催でき大変うれしく思う,次回開催も期待している」との挨拶がありました。その後,技術交流会に参加した各社の代表者よりそれぞれスピーチがあり,参加者による意見交換が活発に行われました。
また,北海道大学 杉山名誉教授より「安全性・信頼性の向上には現場の総合力が一番大切であり,異なる事業者の取り組みを客観的に議論する場が必要。今回の会合ではそのベースを作ったと思う。」との講評がありました。
翌8月26日(金)は,前日に引き続き,(株)日本製鋼所 室蘭製作所の概要説明の後, 「鍛錬」,「機械加工」および「検査」に関する各施設・設備の視察が行われました。
その後,日本刀製作技術の保存・向上を目的に建設された「瑞泉鍛刀所」および大正天皇(皇太子時代)の宿泊所として建設され,経済産業省の「近代化産業遺産」に認定された「瑞泉閣」を見学し,技術交流会を閉会しました。
第1回保全技術交流会の開催にあたり,発表および参加された皆さま,ならびに会場の提供および運営にご尽力頂きました(株)日本製鋼所室蘭製作所様および日鋼検査サービス(株)様に感謝いたします。
(添付) 第1回保全技術交流会プログラム