支部長挨拶
日本保全学会 西日本支部の設立にあたって
このたび日本保全学会に西日本支部を設立することになり、学会の指導の下に電力各社、原研機構、重工メーカー各位のご賛同と支援を得て、東北・北海道支部に続く2番目の支部として発足しました。
設立直後のコロナ禍により、大きな集会での活動が難しくひと工夫しながらの活動を進めています。
福島事故以降の地球温暖化現象は待ったなしの状況にであることは年々明らかとなってきつつあり、原子力発電の拡充により、温暖化ガスの排出を抑制しつつ経済の発展を期すと云う、非常に基本的な機能をきちんと果たすことの重要性が増しています。
それには原子力をはじめとする発電所の保全と安定して安全な操業と、それによる稼働率の向上が鍵となります。もとより発電プラントの現場では、幅広い科学技術の関係者が様々で膨大な仕事を遂行しており、それら活動と作業の本質を理解し、より良い優れた保全とするための体系化が待たれているという理解の下に日本保全学会が設立されたと理解されます。
しかしこの仕事は大規模プラントでの施設や機器の保全管理、改良修理バックフィットへの適合などの、日進月歩する科学への既存プラントでの対応と言う、リバースエンジニアリング的な色彩の強い仕事であり、プラントの新設のための研究開発とは異なる性質を含むものです。そのため保全の体系化と総称される仕事は未だその端緒についたばかりです。西日本支部は北陸電力以西の地域を含み、現在再稼働中の原子炉プラントを全て包む支部となります。
本支部では今後の再稼働のための活動、再稼働中のプラントの安全安定操業、あるいは高経年化対応などにおける技術開発、研究開発、成功失敗体験などの情報交流とその評価を通じて保全活動の体系化に取り組む所存です。この趣旨をご理解頂き、ご賛同頂ける各層からの幅広いご支援とご参加をお待ちしております。
2020年 7月