第17回 保全セミナー

- 検査制度の改革と保全の役割 -

第17回保全セミナー

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発行

2017.03.14

価格

10,000円(税込み)

福島事故から6年が経過する現在、新規制基準を満たし、運転を再開する原子力発電所が見られるようになっています。今後はこれまでの新規制基準に対する安全審査、技術基準適合性審査等から運転を再開したプラントの検査へ規制当局の重心が移っていくものと思われます。現に、原子力規制委員会では、昨年来、原子力事業者等による安全確保の取組みに対する監視・評価の仕組みを強化する等、より実効性の高い検査制度とするための検討、いわゆる新検査制度の検討を進めています。
 このような中、今回の保全セミナーでは、今後の原子力発電所の検査制度は如何にあるべきか、そのような検査制度の中で果たすべき保全の役割は何か、について関係者とともに考える機会として本セミナーを企画しました。我が国の原子力発電所に対する規制の変遷を振り返りますと、これまでの検査制度は網羅主義、完璧主義、ハード中心主義などに陥りがちで、必ずしも真の安全性重視とそれを実現しようするものにはなっていませんでした。また、原子力発電所の現場で行われる保全は、安全性を確保する上で大変大きな役割があるにもかかわらず、旧態依然としており、効率的効果的と言えるものではありませんでした。
 以上のような反省に立って、今回のセミナーの第一部では、現在、今後の検査制度の在り方について検討が行われている原子力規制委員会「検査制度の見直しに関する検討チーム」での新検査制度の検討状況について、また過去の検査制度の経験を踏まえた教訓と新検査制度への期待についてご講演をお願いしています。第二部では、原子力発電所の保全における最重要技術の1つである補修等の是正措置技術を原子力発電所において容易に使用することができる環境を整備すれば、原子力発電所の安全性を格段に向上させることができると考え、保全学会内に設置された「補修技術活用推進検討会」の検討成果の概要をご報告することになっております。
 これまでの十分過ぎるほどの失敗経験を踏まえ、手本となる先進諸外国の好事例も参考とすることができる我々日本の原子力関係者は今度こそ失敗ができないとの覚悟で新検査制度の構築に寄与していく必要があります。本セミナーがそのような活動の一助となれば、これに勝る喜びはありません。
 最後に、講演者を始め、本セミナーにご協力いただきました皆様ならびに関係機関に心よりお礼申し上げます。また、日本保全学会事務局の皆様には企画段階から大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。

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