昨年の10月から11月に開催されたCOP26において、従来と比較して一層厳しいCO2排出削減目標が定められました。一方、欧州委員会においては、本年早々、EUタクソノミーに原子力を含める方針が示されました。今後、正式決定される予定となっていますが、原子力に対して、放射性廃棄物の問題と、安全性への懸念から、原子力をタクソノミーに含めることに反対しているドイツ・スペインといった国々もあることも事実であります。
このような情勢の中、原子力発電所の安全と保全活動の関係性を再度検討し、原子力発電所の安全目標と保全のあり方についての理解を深めることを目的として、今回のセミナーを企画しました。特に、安全目標を頂点としたリスクインフォームド規制の拡充が望まれている中で、安全目標とは何か? なぜ必要か? を改めて考え、その考えを踏まえて原子力発電所の保全活動にリスク情報の適用を拡大していくことは、原子力発電の安全性と経済性の向上に大きく貢献するものと考えております。
昨年は、コロナのため、保全セミナー開催を見送りましたが、本年は対面とwebのハイブリッド方式での実施で計画を進めています。このような厳しい状況にも関わらず、講演者を始め、本セミナーにご協力頂きました皆様ならびに関係機関の方々に心より御礼を申し上げます。また、日本保全学会事務局の皆様には、企画段階から大変にお世話になりました。この場を借りて御礼を申し上げます。