2020/06/19
原子力発電所(BWR)の原子炉圧力容器は、シュラウド、ジェットポンプなどの炉内構造物を内蔵しており、構造は複雑かつ狭隘である。そのような条件下にある炉内構造物の検査対象箇所は、水面下15mから30mにも及ぶ離れた所に位置しており、その検査は難しく、熟練した作業員をもってしても、位置決め等に多大な時間を要していた。
この課題を解決するために、小型化(厚さ:200mm程度以下)、軽量化(1.5~3.5kg)した遠隔操作可能な水中遊泳ロボット(水中ビークル)が開発された。これは、上下、前後、左右、回転のあらゆる方向への動作が可能であることから操作性に優れ、短時間で広範囲に検査することが可能となった。
既に、国内の多くの沸騰水型原子力発電所(BWR)の炉内点検に適用されており、国内の加圧水型原子力発電所(PWR)及び海外のBWRでの適用実績もある。炉内点検を大掛かりな工事なしに実施することができるようになり、定期検査の期間短縮に大きく貢献しているとともに、水中遠隔作業であるため作業者の被ばく低減にも貢献している。
また、この技術は、福島第一原子力発電所の格納容器内部調査にも活用されている。
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認定番号 | 保全遺産第3号 |
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年度 | 2020 |
対象名 | 原子力設備の検査用 水中遊泳ロボット (水中ビークル) |
所有機関 | 水中遊泳ロボット(水中ビークル) 所有機関:東芝エネルギーシステムズ㈱ 水中遊泳ロボット(水中ビークル) 所有機関:日立GEニュークリア・エナジー㈱ |