第3フェーズ(2022/2023年度)の設置趣旨・目的
はじめに
平成29年度のCMT分科会第6フェーズにおいて各社の非常用ディーゼル発電機構成機器や原子炉補機冷却水ポンプの保全方法を比較、評価し、保全周期など最適化に向けた検討を実施した。また、あわせて状態監視技術の高度化(劣化予測等)や限界データの採取による保全周期の技術的裏付けデータ拡充などを目的とした廃止措置プラントの有益な活用方法について検討を開始した。
こうした活動はこれまでのCMT分科会の検討範囲(主に回転機器を主とした早期常診断システムの構築のための学術的な技術開発等)を超えるものであることから、平成30年度よりCMT分科会から分離させて、新たな分科会を設けることとした。
これまでの活動
第1・第2フェーズ:
平成30年4月~2022年3月(1フェーズを2年とする)では、具体的に以下の検討を行った。
- 保全方式、周期見直しによる運転中プラントへのフィードバック効果を考慮した検討対象設備の選定拡大
- 検討対象設備に対する各社保全内容の比較・評価
- 廃止措置設備を活用した状態監視技術適用よるモニタリング
- 上記結果を踏まえた劣化予測の検討、および限界データの取得による寿命把握
設置の趣旨と目的
電力小売全面自由化等の中で、原子力発電についても現状の安全や品質を維持したまま業務を効率化することが必要であり、欧米では従前の時間基準保全(以下、TBMと言う)から、設備診断技術を活用した状態基準保全(以下、CBMと言う)への移行が進んでいる。
国内の原子力プラント設備の保全高度化に向け、保全の有効性評価を踏まえた点検周期延長によるTBM最適化と、状態監視技術(以下、CMTと言う)の適用性向上によるCBMへの移行が事業者に求められている。
原子力発電設備の保全高度化に向け、CMTの適用性向上によるCBMへの移行の促進を目的とする。
以上より、第3フェーズでは、以下の項目について検討を行う。
- 廃止措置プラントを活用した保全高度化の検討
-CBM化に向けた状態監視保全技術の最適化検討
期間、体制等
- 期間:2022年4月~2026年3月(予定)(1フェーズを2年間とし、2フェーズを予定)
- 体制:学識者、電力会社、プラントの保守請負会社
- 主査:橋爪秀利 教授(東北大学)